世界の酒類消費量、過去20年で初の減少-背景に景気悪化
- uhyoshi-yami
- 2016年5月24日
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市場調査企業「ユーロモニター・インターナショナル」は13日までに、アルコール類の世界規模での販売数量が昨年、この種の統計とりまとめが2001年に開始された後、初めて減少したと報告した。
これによると、米ドル換算の販売額は昨年約2%の上昇を記録したものの、世界規模での摂取量については0.7%落ち込んだという。中国やブラジルなど新興市場諸国での経済減速がこれら減少の一因とみられる。
世界全体でアルコール飲料の消費量が落ちたのは1990年代にアジアを襲った金融危機が最後とみられるという。
同社によると、世界最大のアルコール類消費国である中国では昨年、3.5%下落。この減少分は、ポルトガルとチリの両国国民が全面的に禁酒した場合の総量に相当するという。
ブラジルと東欧諸国ではそれぞれ2.5%、4.9%減少した。ブラジルは深刻な景気不振や汚職容疑絡みの政治危機に直面。東欧諸国では、ウクライナとロシアの対立が原因でアルコール製造業界が打撃を受けている。
アルコール類の消費量で中国に次ぐのは米国で、この後にブラジル、ドイツ、ロシアと続いている。
同社のアルコール飲料アナリストは、アルコール類の消費量は時代の浮き沈みに無関係なため投資家にとっては安心感が持てる産業分野だったが、もはやこの見方は通用しなくなったと指摘した。
消費量が昨年最も落ち込んだのはラムとウオツカだった。半面、人気上昇を示したのは英国の高級ジン、アイルランドと日本のウイスキーに黒ビールなど。このアナリストは、西側の成熟した市場でのミレニアル世代がこれらの酒を気に入っていることと関係があると見ている。
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