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欧州難民問題、新局面に-リビアからの流入阻止へ

  • uhyoshi-yami
  • 2016年5月6日
  • 読了時間: 2分

(ベルリン 4月30日 時事)春を迎えた欧州で、難民問題が新しい局面を迎えつつある。昨年以降、シリア難民らが殺到したギリシャから西欧へのルートは、欧州連合(EU)と経由国トルコの対策合意などにより流入数が激減。一方、北アフリカのリビアから地中海を渡ってイタリアに入る例が目立ち始めた。欧州各国は危機の再燃回避へ躍起になっている。 イタリアへの流入は3月が前年同月の4倍以上の約9700人。4月には地中海で密航船が転覆し、500人が死亡したとも言われ、対策の必要性が叫ばれている。国連難民高等弁務官事務所の報道官は「冬が終わり、天候が良くなってきている」と述べ、危険を顧みない渡航の試みが再び増加に転じる事態を予測する。 リビアでは2011年のカダフィ政権崩壊後、国家が分裂状態に陥った。取り締まりが消えた港湾にアフリカ大陸を横断して難民らが集まり、密航あっせん業者も群がっている。ここに過激派組織「イスラム国」(IS)も混ざり込み、欧州諸国はテロリストの潜入を阻止する意味でも難民対策が急務とみる。 欧州主要国外相は4月、相次いでリビアを訪れ、統一政府樹立を後押ししていく立場を明確にした。ドイツのシュタインマイヤー外相は訪問時、「警察や軍の訓練が必要」と指摘。リビア国内体制を立て直し、難民・テロ対応で役割を担えるようにすることが不可欠と強調している。 即効性も求める伊政府は、北大西洋条約機構(NATO)がリビア沖に艦船を派遣し、密航船の監視を行うことを提案。7月のNATO首脳会議での合意を目指す。一方、隣国オーストリアは対イタリア国境の管理を強化する構えで、旧ユーゴスラビア構成国経由で難民らが殺到した昨年と同じ混乱を防ごうと警戒を強めている。  昨秋から今年にかけて東欧やバルカン半島諸国が実施した難民らの入国制限には人権団体から非難が相次いだ。国連当局者は「流入抑制を目的とした措置は人権・人道面で大いに問題がある」と述べ、欧州諸国の今後の動きを注視していく考えだ。

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