「ジカ予防コンドーム」配布へ、豪州の五輪選手団
- uhyoshi-yami
- 2016年5月24日
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オーストラリアの製薬会社は17日までに、今夏のリオデジャネイロ五輪に出場する同国の選手団に、中南米で流行しているジカウイルス感染症(ジカ熱)を予防するためのコンドームを配布すると発表した。
五輪は8月5~21日にブラジル南東部のリオデジャネイロで開催されが、同国は最近のジカ熱流行の震源地になっているため、感染拡大が懸念されている。ジカ熱は胎児の小頭症や神経障害との関連が指摘されるウイルス感染症。ウイルスは主に蚊が媒介するが、性交渉でうつる場合もある。
オーストラリアの製薬会社「スターファーマ・ホールディングス」とマーケティング会社「アンセル・リミテッド」はこのほど、五輪選手団にスターファーマの潤滑ジェル「ビバジェル」を塗ったアンセルのコンドームを配布すると発表した。
スターファーマによると、ビバジェルには細菌性膣(ちつ)炎や性感染症を防ぐ効果がある。同社は今月初め、ビバジェルの基礎実験でジカウイルスにも有効との結果が出たと発表していた。実験では、コンドームに塗布するよりもずっと低い濃度で「ほぼ完全な抗ウイルス作用」がみられたという。
スターファーマのジャッキー・フェアリー最高経営責任者(CEO)はインターネット上で声明を発表し、「オーストラリア選手団たちの応援に一役買うことができてうれしい」と述べた。
キティー・チラー選手団長も声明でこれを歓迎。「チームの健康が第一だ」と強調した。
ただしスターファーマによれば、ビバジェルのジカウイルスに対する有効性は当局に認定されていない。審査を受けるための申請もまだ出していないという。
世界保健機関(WHO)と米疾病対策センター(CDC)はもともと、選手らにコンドームを常時使用するよう呼び掛けてきた。CDCのエイズ予防部門で上級顧問を務めるジョン・ブルックス氏は、「オーストラリアの製品については何もわからない。感染予防剤を加えることでコンドームの性能がどう変化するかについては、証拠が何もない」と語った。
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