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世界に渦巻く「怒りの政治」、韓国大統領選に与える影響は?

  • uhyoshi-yami
  • 2016年5月14日
  • 読了時間: 2分

米共和党の大統領候補にドナルド・トランプ氏が浮上する中、フィリピン大統領選では「フィリピンのトランプ」と呼ばれたロドリゴ・ドゥテルテ氏の当選が確実となった。その底辺には既存の政治とシャキアに対する大衆の怒りがある。経済的な格差拡大、特定の宗教や移民、女性に対する反感などが根底にある「怒りの政治」が世界的な流れとなり、来年大統領選を控えた韓国に与える影響に関心が集まっている。

 専門家は韓国にも「怒りの政治」の基盤が形成されているとみている。「トランプ現象」が貧富の格差に挫折した没落中産階級や貧困層の白人男性の怒りを基盤にしているように、韓国でもさまざまな怒りを持つ層が存在するためだ。

 20-30代は就職難と失業、40-50代は住宅難と中産階級崩壊などで既存の政治体制に対する不信を高めている。専門家は政権与党の惨敗に終わった4月の総選挙が一つの前兆になり得るとみている。仁川大のイ・ジュンハン教授は「今回の総選挙は20-30代だけではく、既存政党に失望した50-60代の怒りが与党の敗北、第3勢力の出現という結果を生んだ」と指摘した。ただ、4月の総選挙は第3勢力の出現で怒りの緩衝地帯ができ、全面衝突は回避されたため、本格的な「怒りの政治」に突入したとは言いにくい。

 とはいえ、来年の大統領選は「怒りの政治」が現実になると懸念されている。国民大の洪性傑(ホン・ソンゴル)教授は「総選挙以降、与党セヌリ党は次期大統領候補どころか、政権ビジョンすら示せず、内輪もめに陥っている。伝統的保守層がセヌリ党に失望し、怒っている」と指摘した。

 こうした状況で保守層の怒りをバックに常軌を逸した政治家が登場する可能性がある。「怒りの政治」はリベラル・左派陣営に有利だとの見方もある。ソウル大の韓寅燮(ハン・インソプ)教授は「韓国の青年と没落した中産階級の怒りは、米国のトランプ氏のような人物ではなく、リベラル傾向が強い政治家への支持集中として表れる可能性がある」と予測した。

 「トランプ現象」ほどではないが、韓国では最近数年、似たような現象が数回起きている。2012年の総選挙、大統領選を控えた時期には、政治風刺を行うインターネットラジオ放送「ナコムス」がブームとなった。しかし、ナコムスはキム・ヨンミン氏の暴言騒動で、国会入りを果たす直前に崩壊してしまった。峨山政策研究院のポン・ヨンシク招聘研究員は「インターネットを通じて誰でも情報を発信できるようになり、『おかしな政治』『非常識な政治』に対する既存の知識社会とメディアによる警告が無力化されている」と分析した。

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