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買収攻勢強める中国、1-3月の海外M&Aは韓国1年分の10倍

  • uhyoshi-yami
  • 2016年5月6日
  • 読了時間: 2分

 昨年3月、世界シェア5位のタイヤメーカーであるイタリアのピレリが中国の国有化学大手、中国化工集団に71億ユーロ(現在のレートで約8700億円、以下同じ)で買収された。イタリアのメディアは「世界最高の自動車レース、F1にタイヤを供給するピレリの先端技術が中国の手に渡ることになった」と嘆いた。

 今年1月、ドイツ重機械メーカーのクラウス・マッファイを9億2500万ユーロ(約1130億円)で買収したのも中国化工集団だった。178年の歴史を持つクラウス・マッファイはプラスチック加工用機械の分野で世界最高の技術力を誇る。その1カ月後、中国化工集団は430億ドル(約4兆6400億円)でスイスの農薬世界最大手、シンジェンタを買収すると発表し、またしても世界を驚かせた。

 中国化工集団は超大型の合併・買収(M&A)を繰り返す理由について「『中国製造2025』をリードする企業になるため」と説明している。中国政府が掲げる「中国製造2025」は、25年までにドイツや日本など先進国の製造技術力に追いつくことを目標としている。韓国・対外経済政策研究院のヤン・ピョンソプ北京事務所長は「中国企業は低いブランド知名度と足りない技術力を短期間に補うため、海外の有望企業を次々と買収している」と述べ、その背後には中国政府の強力な支援があると説明した。

 中国のM&Aはスピード、規模ともに圧倒的だ。1-3月期の中国企業による海外M&Aの総額は1080億ドル(約11兆6500億円)に達し、すでに昨年通年の実績(951億ドル、約10兆2600億円)を上回った。韓国企業による昨年の海外M&A総額は中国の9分の1にとどまっており、全く比較にならない。

 今年初めには、100年以上の歴史を持つ米ゼネラル・エレクトリック(GE)の家電事業が中国家電大手、海爾集団(ハイアール)の手に渡った。売却先には韓国のサムスン電子も候補に挙がっていた。また、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は日本電機大手のシャープを買収し、サムスン電子のシェアを狙っている。韓国経済研究院のキム・ユンギョン副研究委員は「中国企業によるM&Aは構造調整の一環で企業を売却する韓国企業の『防衛的M&A』とは対照的だ」と話している。

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