ブラジル閣僚「職務離脱」-汚職捜査妨害との報道で
- uhyoshi-yami
- 2016年5月24日
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ブラジルのテメル暫定大統領と親しいロメロ・ジュカ企画・予算管理相は23日、職務を離れると記者会見で明らかにした。大規模な汚職事件の捜査妨害を相談する録音テープが報道されたため。国営石油会社ペトロブラスでの汚職事件については、すでに複数の政界や経済界の重鎮が起訴されたり有罪判決を受けたりしている。
23日付のブラジル紙フォルハ・デ・ サンパウロが伝えた録音内容の聞き取りによると、ジュカ氏は弾劾手続きで職務停止処分となったルセフ大統領を弾劾することでペトロブラス捜査を阻止すると発言しているように聞こえる。ジュカ氏は、弾劾は「出血を止め」、「何もかも止めて制限するため」の「政治的手打ち」をまとめるために必要だと話している。
会話の相手はペトロブラスの輸送部門を扱う子会社トランスペトロのセルジオ・マシャド会長。ジュカ氏もマシャド氏も、ペトロブラス汚職の捜査対象となっている。
ジュカ氏は会見で、録音されたのは確かに自分の発言だと認めたが、発言意図が文脈を外れて曲解されたと反論。自分はペトロブラス捜査を指示しており、発言はブラジル経済に関するものだったと説明した。さらに、自分がルセフ大統領弾劾を支持しているのは周知されていることだと述べた。
「捜査されることは何も問題ではない。起訴されることは問題だ」とジュカ氏は述べ、「捜査を妨げるようなまねは一度もしたことがない」と強調した。
一方で多くの政治アナリストは、ジュカ氏の会話内容はブラジルの政治危機に関するもので、ペトロブラス捜査の継続をいかに阻止するかについて話しているように聞こえると指摘する。
ルセフ氏はジュカ氏の録音について、自分はペトロブラス汚職に関与したとされる政財界重鎮を守るための「政治クーデター」で弾劾されていることが、これで証明されたと非難した。
ルセフ氏は議会に政府会計粉飾の責任を問われており、今後上院の弾劾裁判で審理される。
報道によると録音された会話でジュカ氏はさらに、「将軍たち、軍司令部とも話をしている。軍幹部は同意して、実現を保障すると言っている」と発言。ルセフ大統領の支持者たちは、これは弾劾がクーデターだったことの証拠だと非難している。
ジュカ氏はテメル暫定大統領が率いる最大与党ブラジル民主運動党(PMDB)の副党首。今月初めに組閣した新内閣でPMDBから閣僚となったのは、ほかに3人。いずれもペトロブラス事件との関連で捜査線上に上がっている。
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