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日本の自動車業界、トヨタを軸に合従連衡

  • uhyoshi-yami
  • 2016年5月14日
  • 読了時間: 3分

 日産自動車は12日、取締役会を開き、三菱自動車の第三者割当増資を引き受け、同社株式の34%を2370億円で取得することを明らかにした。燃費不正問題で危機に陥った三菱自の経営権は日産に移ることになる。三菱自は日産の出資で厳しい財務状況を改善し、日産は東南アジアなど新興国でSUVの人気が高い三菱自を買収することで、海外市場開拓を狙う。

 これに先立ち、世界の自動車業界首位、トヨタはダイハツの全株式を取得し、100%子会社化した。東南アジア市場強化に向けた布石だ。

 米投資銀行のジェフリーズ・グループは最近、日本の自動車メーカーが現在の8社から2020年には3社以下に再編されると予想した。ジェフリーズのアナリスト、中西孝樹氏は「トヨタのダイハツ株式取得は日本の自動車業界再編を予告するシグナルだ。日本は自動車メーカーが多過ぎるため、こうした動きは競争力強化に役立つ」と指摘した。

 韓国・大林大自動車学科のキム・ピルス教授は「日本は現在トヨタと政府が力を合わせ、自動車産業再編を模索しているところだ。官民合同の『チーム・ジャパン』が発足しつつあるとの観測が聞かれる」と話した。

■過去最高益のトヨタ、合従連衡を主導

 日本の自動車産業再編の二大軸の一つは巨大企業トヨタだ。2010年の1000万台規模のリコール(回収・無償修理)問題、11年の東日本巨大地震で困難を味わったトヨタは最近、過去最高の業績を上げている。2016年3月期決算では、営業利益が前期比3.8%増の2兆8539億円、純利益が6.4%増の2兆3126億円と過去最高を記録した。

 それを元にトヨタは日本国内の中堅企業を相手に提携や出資を拡大している。昨年5月にマツダと提携したのが代表的だ。トヨタは水素自動車やプラグインハイブリッド車の技術を共有する代わりに、マツダが保有する高出力・低燃費のスカイアクティブ技術を活用し、内燃機関車の燃費を6-11%改善する戦略だ。計画通りに燃費改善効果が生まれれば、トヨタのエンジンの燃費は業界最高水準に達すると見込まれる。

 トヨタは軽自動車でインド市場首位のスズキとも提携を進めている。インドをはじめとするアジア市場拡大のノウハウをスズキと共有し、新興国での競争力を強化する狙いだ。さらに、ダイハツ買収が完了すれば、トヨタの世界市場攻略に弾みが付く見通しだ。

■積極支援する日本政府

 もう1本の軸は日本政府だ。これまで日本を代表してきた電子、鉄鋼などの製造業が不振に陥り、日本政府は自動車産業に支援を集中している。昨年の日本の主要産業による貿易黒字の業種別割合を見ると、電子、鉄鋼はそれぞれ2009年を21ポイント、1ポイント下回ったが、自動車は44%から74%へと30ポイントも増加した。競争力で優位にある自動車産業の効率性をさらに高めるのが日本政府の狙いだ。

 日本政府が2014年に制定した産業競争力強化法は企業の合併・買収を容易にした。同法は重複事業の統合を推進する企業が自発的に計画を立てる場合、手続きを簡素化し、税制面、金融面で優遇することを柱としている。日本では「個別の自動車メーカーの技術競争力は高いが、メーカーが乱立していることが問題だ」との見方が根強い。

 産業研究院のイ・ハング首席研究委員は「日本の自動車業界で急激に進む再編の試みは、政府が影響力を行使できる少数の金融機関が自動車メーカー間の協力を促す方式で進む可能性が高い。そうなれば、主要市場で日本メーカーと直接競合している現代・起亜自動車など韓国メーカーにとっては新たな脅威となり得る」と指摘した。

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