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ブラジル、弾劾裁判開始へ-ルセフ氏「クーデター」と反発

  • uhyoshi-yami
  • 2016年5月13日
  • 読了時間: 3分

ブラジル上院で12日に行われた採決で、ルセフ大統領に対する弾劾(だんがい)裁判の開始が決まった。裁判中は大統領の職務が停止される。ルセフ氏は「これはクーデターだ」と強く反発、政治生命をかけ徹底抗戦の構えを見せている。

上院は約20時間の審議を経て12日早朝に採決を行った。議員81人のうち、ルセフ大統領に対する弾劾裁判の開始に賛成したのは55人、反対は22人だった。

それから1時間もたたないうちにルセフ氏は首都ブラジリアの大統領宮殿内で記者会見して採決を批判。宮殿から締め出された後、支持者を前に行った演説では「私は重大な不正の犠牲になった」と訴えて声援を浴び、支持者と握手やハグを交わした。

ルセフ氏は一貫して、弾劾手続きは裏切りであり不当だと訴えてきた。「私の政権は止むことのない妨害工作の標的にされてきた」「その目的は、私の統治をやめさせてクーデターにつながる環境を許すことにあった」と主張。「私は過ちを犯したが、犯罪は犯していない。私に対する判断は不当だ」と強調している。

大統領代行にはテメル副大統領が就任。同氏は12日、就任式の写真を自身のツイッターアカウントに投稿した。

テレビ演説を行ったテメル大統領代行は、「ブラジルに対する国内外の信頼を救うために必要な措置と確信している」と力説。ブラジルが前進するためには団結が必要だと呼びかけ、「私たちにはあまり時間がない。この国が必要とする改革を推進できるよう努力しなければならない」と呼びかけた。

この演説の間も、大統領宮殿前にはルセフ氏の支持者が集まり、宮殿に押し入ろうとして警官隊に阻止された。警察は催涙弾を使ってデモ隊を解散させた。

ルセフ氏は同国初の女性大統領だった。弾劾に対しては抗戦を続けると表明して支持者に応援を求め、「運命は私に多くの困難を与えた。中には克服不可能と思えたものもあった。私は拷問に苦しみ、病に苦しみ、今度は不正の痛みに苦しんでいる」「私は政治的茶番の被害者だ。だがあきらめない。振り返れば私たちはあらゆる実績をあげてきた。今後もまだやらなければならないことがある」と支持者に語りかけた。

法律の規定により、ルセフ氏は大統領の肩書きを維持したまま最大で180日職務を停止される。上院の特別委員会がルセフ氏に対する不正疑惑について調査する予定で、この調査は長ければ11月までかかる可能性もある。続いてルセフ氏側に20日間の反論の機会が与えられ、委員会の投票を経て、上院で採決が行われる。上院で3分の2以上が賛成すれば、大統領は解任される。

だが同国の政情は不安定さを増しており、今後どう展開するかは見通せない。ルセフ氏の支持者も抗議デモ展開の構えを見せるなど、今後も混乱は続く見通しだ。

リオデジャネイロ・オリンピックの開幕は8月に迫っている。国際オリンピック委員会(IOC)は12日に発表した談話で、夏季五輪成功への確信は変わらないと述べ、「ブラジルでのオリンピックは強く支持されている。新政府と連携してこの夏のリオ大会を成功させたい」と表明した。

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