カーニー英中銀総裁:EU離脱でポンド急落-需要減退、インフレ高進も
- uhyoshi-yami
- 2016年5月13日
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イングランド銀行(BOE、英中央銀行)のカーニー総裁は12日の記者会見で、6月23日の国民投票で英国が欧州連合(EU)からの離脱が決まれば、ポンドが急落する可能性があると明言した。 カーニー氏は、最近のポンド安を踏まえれば、EU離脱で「ポンドはおそらくは急落する」と指摘。ポンドの一段安はインフレ加速を招く恐れがあると分析した。質疑応答で総裁は、BOEが「(ポンド急落という)為替の方向性に言及するのはいささか異例。離脱は成長とインフレに重大な結果を招く」と述べ、BOEが離脱リスクへの警戒を高めていることをうかがわせた。 カーニー総裁は、離脱決定で金融環境が悪化、資産価格が下落し、EUとの貿易関係にに不透明感が増すことから、「総需要も落ち込む可能性がある」と指摘した。質疑応答で総裁は、2四半期連続で成長率がマイナスとなる「テクニカルな景気後退」に陥る可能性も示唆した。 その上でカーニー氏は需要がしぼむ一方で、供給サイドにも悪影響が及ぶ公算が大きいことから、見通しよりも「成長の大幅な鈍化とインフレの著しい上昇を招く可能性がある」と警告。MPCがインフレ高進と成長鈍化の板挟みという「困難なトレードオフ(二律背反)に直面する」と警戒した。 カーニー氏は、国民投票の結果がどのようであっても、「金融安定を支え、インフレが目標の水準に回復するようあらゆる政策措置を動員する」と強調。ただ、金融政策にはおのずと限界があり、「すべてのショックを即座に相殺することはできない」と認めた。 総裁は、需要動向が予想通りならば、16年中に余剰生産能力はなくなる公算が大きく、国内コストは上昇に転じると分析。政策金利が18年末ごろには「現在よりも引き上げられる必要がある」と明言した。
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