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フィリピン大統領選、過激発言のドゥテルテ氏が優勢

  • uhyoshi-yami
  • 2016年5月9日
  • 読了時間: 3分

マニラ(CNN) フィリピンで9日、大統領選挙の投開票が行われる。支持率トップのロドリゴ・ドゥテルテ・ダバオ市長(71)は、過激な発言で論議を巻き起こしてきた。

同国の人口約1億人のうち、有権者は約5500万人。この日の投票では大統領のほか、副大統領や上下両院議員および地方自治体の首長や議員も選ばれる。

世論調査で首位に立つドゥテルテ氏(71)は、南部ダバオの市長時代から過激な発言や犯罪に対する強硬姿勢で知られ、大統領に選ばれれば犯罪者10万人を処刑してマニラ湾に投げ捨てると言い放った。

選挙戦の最終日となった7日もマニラ中心部で開いた集会で数千人の支持者を前に、「人権の法則は忘れよう」と力説。「私が大統領になったら市長の時と同じことをする。麻薬業者や強盗や事なかれ主義者は失せろ。私が殺してやる」と演説して喝采を浴びた。汚職にかかわる人間や、警察や軍の中の悪人も刑務所に送ると宣言した。

ドゥテルテ氏のエリート層攻撃は多くの有権者の心をつかむ一方で、人権派は警戒感を強める。同氏が長年市長を務めるダバオでは、暗殺集団や司法外殺人への関与も取りざたされ、同氏は「ドゥテルテ・ハリー」などとも呼ばれてきた。

現職の大統領、ベニグノ・アキノ氏は、フィリピンの民主化の象徴だったコラソン・アキノ元大統領の息子。2010年の大統領選で圧勝したものの、この2年は治安悪化に伴い支持率が落ち込んでいた。

アキノ大統領は全候補者に対して反ドゥテルテ氏で団結するよう呼びかけ、もしドゥテルテ氏が大統領になれば独裁政治が行われかねないと訴えていた。

大統領選ではドゥテルテ氏のほかに、アキノ大統領が後継指名した前内務自治相マヌエル・ロハス氏(58)、グレース・ポー上院議員(47)、ジェジョマール・ビナイ副大統領(73)、ミリアム・デフェンソール・サンティアゴ議員(70)が立候補している。

調査機関ソーシャル・ウェザー・ステーションズの直近の世論調査では、ドゥテルテ氏が支持率33%でトップに立ち、続いてポー氏(22%)、ロハス氏(20%)、ビナイ氏(13%)、サンティアゴ氏(2%)の順だった。

ロハス氏は7日の演説で、「この戦いには私たちの未来と、今のような生活を続けられるかどうかがかかっている」「フィリピンが今やアジアの輝く星になったことは誰にも否めない」と力説した。

フィリピンン経済は2000年初めごろから着実に成長を続け、外国で働く労働者の仕送りのおかげで購買力も増している。外交面では南シナ海での中国との対立が続く。

政治評論家のラモン・キャシプル氏はドゥテルテ氏人気について、「同氏は人々の象徴になっている。多くの人たちにとって過去6年は何も起きておらず、同氏は正義の味方というイメージを利用している」と指摘した。

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