米ミサイル防衛の東欧配備、プーチン氏が「対抗措置」を言明
- uhyoshi-yami
- 2016年5月31日
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米国がルーマニアなどでミサイル防衛(MD)システムの配備を進めていることに対し、ロシアのプーチン大統領は27日の記者会見で強い反発を示し、対抗措置を取る構えを示した。ロシア国営タス通信が伝えた。
米国は今月、北大西洋条約機構(NATO)のMD構想の一環として、ルーマニア南部デべセルの軍基地内に設けた米海軍施設で、欧州初となる地上配備型ミサイルの運用を開始した。ポーランドでも同様の配備を進めている。イランなどの「無法国家」から欧州を守るのが目的で、ロシアのミサイルを狙うためではないとしている。また攻撃用のミサイルとは異なり、迎撃専用だというのがNATOの主張だ。
しかし、プーチン大統領は27日、訪問先のアテネでチプラス・ギリシャ首相と会談した後、記者団に「ルーマニアの人々に自覚がなかったというのなら、我々は自国の安全を確保するために一定の措置を取らざるを得ないだろう」と述べた。さらにポーランドについても「同じことになる」と語った。
これに対してNATOの報道官は、「ロシアはMDシステムが防衛目的であり、ロシアに向けられたものではないことをよく知っているはず」と述べ、同国からの威嚇は「不当で無責任」だと反論した。
元米軍将校の軍事アナリスト、リック・フランコナ氏はCNNとのインタビューで、「プーチン大統領はこれまでも威嚇を実行に移してきた。米国とNATOは深刻に受け止めた方がいい」と指摘。「NATOとの武力衝突を望んではいないと思うが、手荒い人物だけに反応が読めない」とも語った。
NATOのストルテンベルグ事務総長は30日にポーランドを訪問し、ドゥダ大統領と会談する予定だ。
NATOのMDシステムは独ラムシュタイン空軍基地に司令統制センターに置き、すでにトルコにレーダー基地、スペイン・ロタに艦艇4隻を配備している。
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