クリントン氏、メール使用で「規則違反」-米国務省が報告書
- uhyoshi-yami
- 2016年5月26日
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米民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が公務で私用メールを使っていた問題で、米国務省監察官は26日までに、同氏が規則に違反し、私用メールの利用について国務省の幹部職員に知らせていなかったとする報告書をまとめた。
報告書は米議会に提出された。この中で監察官は、「最低でもクリントン長官は、退任する前に国務省の業務に関する電子メールをすべて提出すべきだった。それをしなかったことは、国務省の規則違反に当たる」との判断を示した。
報告書では記録保存関係の法律や1997年から現在までの規定や業務などについて調査した。報告書をまとめるに当たって監察室は、歴代国務長官のオルブライト、パウエル、ライスの各氏から聴き取り調査を行った。
クリントン氏本人や、同氏が国務長官だった当時の職員数人は聴き取りに応じなかったとしている。
報告書によれば、私用メールの利用については情報資源管理室の職員2人が懸念を持ち、当時の室長に相談したとされる。
これに対して室長は「長官の私用システムについては省の法務担当者が検証し許可した」と説明したといい、「この職員に対し、長官の私用メールのことは2度と口にしないよう指示した」とされる。
しかし管理業務担当次官や法務担当者への聞き取りでは、クリントン氏のサーバーを国務省の職員が許可したり調べたりした事実は認識されていないことが分かった。
クリントン氏は一貫して、私用メールの利用は許可されていたと主張してきた。
一方、報告書では、「長官が私用サーバー上にある私用メールを通じて公務を行うことについて、許可を求めたり助言を受けたり許可されたりした証拠は見つからなかった」とした。
報告書の公表を受けてクリントン陣営広報のブライアン・ファロン氏は談話を発表し、「政治的に敵対する勢力が、自分たちの党のためにこの報告書の内容を歪曲(わいきょく)して伝えようとしている。だが実際に監察官が記しているのは、同氏のメール使用慣行が、やはり私用メールを使っていた歴代長官や幹部と一致していたということだ」と反論した。
確かに歴代長官も私用メールを使っていたことは報告書でも確認している。ただ、私用メールアカウントから送信した業務関連メール保存の規則は、クリントン氏が国務長官に就任した2009年に改訂されたとも指摘。同規則では、「職員が省によって運営されていないシステムを使って公的な電子メールを送受信することを認める場合、そうしたシステムで送受信された記録は省の適切な記録保持システムに保存しなければならない」と定めている。
ファロン氏は25日、CNNの取材に対し、「クリントン氏が就任した時点でも在職中も、私用メールの職務利用は禁止されていなかった」と強調。監察室の聴き取りに応じなかったのは、司法省による調査の方を優先していたためだと主張。「監察室の内部に反クリントン的先入観があったことをうかがわせる報道もある」と述べた。
同省の監察官はオバマ政権によって任命された。
国務省のトナー報道官は25日の記者会見で、「必ずしも奨励はされないが、私用メールの利用は禁止事項ではない。唯一の条件は、規則に従って記録を保持しなければならないということだ」と語った。
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