新首相はだれに?
- uhyoshi-yami
- 2016年5月14日
- 読了時間: 4分
昨日トルコ政治において初めてのことをまた目にすることになった。 我が国の首相は辞任せずに与党を臨時党大会に導くと決定した。 首相は臨時党大会で[党首]候補者にならない可能性も高い。 状況がこうなら、他に初めて起こることもあるだろう。 初めて首相が国会で質疑応答、辞任、或は落選という方法ではなく、自身の党の内部の(クーデターとは言わない)攻撃の結果、この状況で職務を離れることになろう。 しかしある他の興味深い状況も昨日時点のトルコ政治には存在する。 もはや、かの公正発展党(AKP)の会議でアフメト・ダヴトオール首相か、他の人物が党首に選ばれようと、それを選ぶ人物はタイイプ・エルドアン大統領となろうということである。 現状が続き、エルドアンが大統領である限り、トルコではもう首相に誰がなるかは重要ではない。 エルドアン大統領の意思により行われるAKPの会議で誰かが選ばれようが、もはや首相には、実際、大統領府と国会の間の連絡および閣僚が職務をちゃんと全うするようにする役割が期待されている。 さらに舞台裏で語られる「首相と党首は別物だ」というシナリオを進められようとも、変わらないだろう。 今朝の時点で、トルコで政治のカードが再び切られ、新しいバランスが構築されよう。 今朝の時点で、トルコは実質大統領制に移行したといえるかもしれない。 また、恐らく大統領制への移行のため、憲法改正も必要なくなるかもしれない。実質的に施行となろうと予想しうるからである。 この状況で以下のことが問われうる。アフメト・ダヴトオール首相はなぜ昨日辞任しなかったのか? なぜなら、4月29日にAKPの中央決定執行委員会(MKYK)が[首相から]県と郡の執行部の任命権を取り上げた後、昨日5月3日に行われた国会会派の演説で首相はこのことを示唆していたからだ。 政治[の世界]に蓄財のためではなく、任務遂行のために来たとし、必要ならばあらゆる地位を擲つつもりと首相は[演説で]述べた。 その晩、党で行われた会合で辞任の有無を問われた際に、まだ決めていないとの発言が昨日メディアに書かれた。 そしてその発言をうけて、エルドアン大統領は会談まで残り数時間となった時、首相の座にどのように至ったかが重要と問いかけた。 もちろん、地区長たちに向けたものであり、直接ダヴトオール首相に言っていなかったが、首相に言ったようなものだ。 政治の舞台裏で瞬時に反響した。エルドアン大統領は、ダヴトオール首相に数多の候補者の中から自分が選んで党と政府の頭としたことを触れているのかと。 この発言の後にダヴトオール首相は「辞任できる」と脅し続けようとも、これはもう脅迫ではないといい得よう。 以下のような問いもありえよう。ダヴトオール首相は辞任を申し出たが、エルドアンは認めなかったのか? エルドアン大統領は、こうして発表された辞任が自身の権力に影を落とすと考えて、ダヴトオール首相に臨時党大会を求めたのか。 結果的にある人物が職を去るのを望むなら、エルドアン大統領は残される側ではなく送る側になることを望んでいた。 僅か2日前に「臨時党大会でなく早期選挙で」と発言したのはAKP副党首でベテランのメフメト・アリ・シャヒンではなかったか。 これ以上話しを引き延ばす必要はない、昨晩時点でトルコの政治の雰囲気は変わった。バランスもそれにより変わろう。 しかし以下のことを言わずに過ぎるべきでない。 もしこの危機が起こらなかったならば、現在トルコ国民にEU圏へビザなしで旅行するために出された最初の重要な措置についての私の記事を読者は読み終えていたことでしょう。 もしこの危機が起こらなかったならば、EU圏へビザなしの旅行の発表を恐らくダヴトオール首相がするはずだった。計画責任者として生放送で話すはずだった。そして当然最大限活用するはずだった。 しかし昨日ビザなしの旅行が勧められた発表はブリュッセルで行われ、そしてエルドアン大統領が大統領府で話している間に、ダヴトオール首相の進退が全てのテレビチャンネルで話されていた。 悲しいかな、ダヴトオール首相をその座からおろしたのは野党ではない、彼自身が所属する党、自身が党首となったその党であった。
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