批判記事を量産する訪朝外信、北の取材統制が裏目に
- uhyoshi-yami
- 2016年5月11日
- 読了時間: 2分
「北朝鮮をPRしようとして逆効果になった」(英国フィナンシャルタイムズ紙)
北朝鮮が、36年ぶりの朝鮮労働党大会開催に合わせて12カ国の外信記者130人を呼び込んだものの、ひどい取材統制のせいで逆風に見舞われている。「金正恩(キム・ジョンウン)時代の開幕」を宣伝しようとしていた北朝鮮当局のもくろみとは異なり、平壌入りした外信記者らは、見学同然の「官製取材」のほかは何もできず足止めを食った状況に対し、批判的な記事を書き連ねた。米国ワシントン・ポスト紙は、北朝鮮の農場を見て回った後「われわれは、北朝鮮の『モデル農場』を訪問した。農場は荒涼としていた(deserted)」と記した。
党大会の期間中、北朝鮮は外信記者らに担当の案内員を1-2人ずつ付けた。記者らは、党大会の会場に入ることを希望したが、北朝鮮側はそのたびにいろいろと理由を付けて記者らを宿泊先に引き留めたり、当局が望む場所だけ見学させたりした。外信が特に怒ったのは、党大会最終日の9日だったとみられる。
北朝鮮当局はこの日、党大会が開幕してから初めて、外信記者のうち30人を選んで党大会の現場に入れた。一行は、取材に先立ち携帯電話などを取り上げられ、3時間にわたって保安上の検査を受けた。肝心の党大会の現場にはわずか10分いただけで、元の場所に追い返された。記者が党大会の現場で聞いたことといえば、金正恩氏の肩書が「朝鮮労働党第1書記」から「党委員長」になったという発表だけだった。
そのチャンスすら得られなかったほかの記者らは、宿舎に足止めされた。先に、平壌の状況について「精神科病院を描いた映画『カッコーの巣の上で』の現実バージョンのようだ」という記事を書いたロサンゼルス・タイムズ紙の記者も、党大会の現場に入ることはできなかった。北朝鮮当局は「あなたの記事は美しくない」という理由を挙げたという。
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