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韓国で先天性異常児出生率が急増、大気汚染が影響か

  • uhyoshi-yami
  • 2016年5月10日
  • 読了時間: 2分

韓国における先天性異常児出生率が100人中5.5人に上昇したことが分かった。研究者らは、浮遊粒子状物質のうち粒子径が10マイクロメートル以下の「PM10」や環境ホルモンの増加など環境的な要因が複合的に作用したものと推定している。

 仁荷大学医学部のイム・ジョンハン社会・予防医学教室教授チームは「2009年から10年の間に韓国の7大都市で生まれた新生児40万3250人の健康保険診療費請求書から先天性異常があるとされた子どもたちを調べたところ、1万人当たりで548.3人(男306.8人、女241.5人)という集計が出た」と9日、明らかにした。同様に大規模な調査が行われ、比較対象となった1993年から94年までの先天性異常児出生率は100人当たり3.7人(1万人当たり368.3人)だったので、16年間で約1.5倍に上昇したことになる。今回の研究結果は、サイエンス・サイテーション・インデックス(SCI)級の国際学術誌「BMC妊娠と出産(BMC Pregnancy and Childbirth)」に発表された。

 先天性異常を疾患別に区分すると、心臓異常などの循環器疾患(1万人当たり180.8人)が最も多く、泌尿生殖器疾患(同130.1人)、筋骨格系異常(同105.7人)、消化器系異常(同24.7人)、中枢神経系異常(同15.6人)の順だった。特に左右両心房の間の心房中隔に穴があく心房中隔欠損症などの心臓先天性異常が増加した原因としては、大気汚染が疑われている。研究チームは、「浮遊粒子状物質の中の重金属物質は妊婦の体に入ると胎児の臓器の形成に損傷を来すという事例が報告されている」と説明した。また、ビスフェノールAやフタル酸エステルなどの環境ホルモン物質にさらされて「内分泌かく乱」が起こり、先天性異常児の出産につながる可能性もある、と同研究チームは説明している。妊娠初期の葉酸不足なども先天性異常児の出生率を高めたものと見られる。

 イム教授は「学者が断続的に発表する研究結果にばかり依存せず、保健当局が立ち上がって定期的に先天性異常児の出生率を集計・研究する必要がある。先天性異常児の出生率が急激に高まっているだけに、原因究明と対策作りを急がなければならない」と語った。

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