激戦地アレッポで停戦発効、米ロ合意受け
- uhyoshi-yami
- 2016年5月6日
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シリア・ラタキア(CNN) 米国務省は4日、戦闘が激化しているシリアの都市アレッポおよび周辺地域での戦闘停止について米国とロシアの間で合意が成立し、停戦が発効したと発表した。
米ロは3日に協議を終わらせ、停戦が守られているかどうかを監視している。国務省のトナー副報道官によれば、衝突は収まってきたものの、まだ続いているという。
トナー副報道官は4日の声明で、「シリアの市民に対する攻撃を正当化することはできず、直ちに停止しなければならない」「我々の目標がシリア全土を網羅する敵対行為の停止であることに変わりはない」と強調した。
シリア人権監視団によれば、アレッポ西部ではシリア軍と反体制派の間でここ数年の中でも特に激しい戦闘が起きていた。
ロシアがシリア空爆の拠点としている北西部ラタキアのヘメイミーム空軍基地では、今もロシア戦闘機の発進が続く。ロシアのプーチン大統領は2カ月ほど前、ロシア軍の主要部分をシリアから撤収させると発表した。しかし爆撃機や戦闘機は今も日常的に発着を続けている。ロシア国防相のコナシェンコフ報道官によると、ロシア軍機は過去4日間だけで87回にわたって過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を空爆した。ラッカとデリゾールにあるISISの資産を狙ったとしている。米ロの協議は国際社会がシリア全土での停戦の徹底を目指す一環として行われた。国連安全保障理事会は4日、英国とフランスからの要請を受け、アレッポ情勢に関する緊急会合を開いた。英国のライクロフト国連大使は、シリア国民の国連に対する信頼は薄れつつあると述べ、信頼を取り戻すためには国連が大量殺戮(さつりく)を食い止めなければならないと強調。米ロの合意を歓迎するとしながらも、暴力を非難し、暴力の終結を求める声明を安保理が出す必要があると訴えた。シリア人権監視団によると、アレッポでは衝突の激化で双方に多数の死者が出ている。反体制派が政府の掌握する地域を砲撃し、シリア軍が反撃する状況が続いているという。国営メディアによると、2日には政府の掌握地域がロケット弾で砲撃され、少なくとも17人が死亡した。国営メディアやシリア人権監視団によれば、この砲撃で病院にいた人も犠牲になった。砲撃を行ったのはイスラム過激派組織だったと伝えている。その数日前には、アレッポの反体制派支配地域にある病院も空爆されていた。国境なき医師団によると、この空爆による死者は55人に増えた。他の地域では首都ダマスカス近郊で4日、少なくとも22回にわたって空爆が行われ、軍が4月29日に発表していた停戦が途切れた。スイス・ジュネーブにある監視センターでは、米ロの軍がシリアの停戦を監視するための協力態勢強化に当たっている。ロシアのラブロフ外相は3日、シリア問題を担当する国連のデミストゥラ特使との共同会見で、監視センターではロシアと米国が「同じ地図を見ることになる」と語り、「恐らくこれは、ロシアと米国による連携強化に向けた大きな一歩になるだろう」との見方を示した。
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