本選はトランプ氏対クリントン氏に インディアナ州予備選で分かった5つのポイント
- uhyoshi-yami
- 2016年5月5日
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インディアナポリス(CNN) 11月の米大統領選に向けた共和、民主両党の候補者指名争いが3日、インディアナ州で行われ、共和党は実業家のドナルド・トランプ氏が、民主党ではバーニー・サンダース上院議員が勝利を収めた。
トランプ氏の勝利を受けて、共和党からの指名獲得を目指していたテッド・クルーズ上院議員は選挙戦からの撤退を表明。共和党全国委員会のラインス・プリーバス委員長はツイッターで、トランプ氏が共和党候補となるとの見通しを示した。
インディアナ州の予備選から見えたこと5点をまとめる。
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トランプ氏を「指名」
わずか8カ月前、共和党では、党からの指名を獲得できなかったトランプ氏が独立候補として出馬することへの懸念が出ていた。トランプ氏には敗退後も共和党候補を支持するという誓約をかわすよう要請がなされた。
実際のところ、これは杞憂(きゆう)に終わったようだ。
トランプ氏は、インディアナの予備選でクルーズ議員に16ポイントの差をつけて大勝し、指名獲得を目前とした。同州での勝利はこれまでのなかで最も印象的なものといえた。保守的で福音派の多い州で、トランプ氏は隙のない選挙戦を展開した。
クルーズ氏も打てる手を打った。しかし、共和党支持者はトランプ氏を選んだ。
クルーズ氏の選挙戦撤退宣言はトランプ氏の予想よりも早かったようだ。トランプ氏はニューヨークでの勝利宣言で、クルーズ氏の選挙戦撤退は予想していなかったと言及している。
トランプ氏は本選モードへ
トランプ氏はいまや本選モードへと移行しそうだ。直面するのは、ヒラリー・クリントン前国務長官と女性層からの高い不支持率となりそうだ。
トランプ氏は3日夜の演説で、クリントン氏への攻撃をスタート。クリントン氏が3月の対話集会で石炭会社に対し事業からの撤退を促す発言をしたことについて、トランプ氏は「採掘している人々をただの数字として話しているようだった」と指摘した。今月10日には石炭業界が盛んなウェストバージニア州でも選挙戦が行われる。
トランプ氏はまた、クリントン氏について、「ひどい大統領になる。クリントン氏は貿易がわかっていない」とも述べた。こうした攻撃は本選まで続きそうだ。
共和党の議員や選挙戦からの撤退を決めた元候補者たちは、トランプ氏を支持するのかどうか選択を迫られることになる。
ただ、少なくとも1人はトランプ氏支持を打ち出すことはなさそうだ。ジョン・ケーシック・オハイオ州知事は、プリーバス委員長の発言について異議を唱えている。
壁にぶつかったクルーズ議員
クルーズ議員はさまざまな手を使ったが、いずれも失敗に終わった。
インディアナ州での勝利に向けて、ケーシック知事と選挙戦の「すみ分け」を行ったものの、穏健派からの支持は得られなかった。カーリー・フィオリーナ氏を副大統領候補として指名したものの、これもやぶれかぶれの行動に見えた。インディアナ州知事のマイク・ペンス氏から支持表明を受けたものの、ペンス氏はトランプ氏についても賞賛の言葉を送っていた。
インディアナ州でのトランプ氏の大勝により、クルーズ氏は自身の指名獲得への道が閉ざされたことを認めざるを得なくなった。
#NeverTrumpが意味するのは
インディアナ州での勝利が共和党員からの抵抗をなくすことにはつながらないとしても、反対勢力の一部からはトランプ氏を認める声も出始めている。
保守系草の根運動「ティーパーティー(茶会)」の指導者の1人、マーク・メックラーは、「個人の好みに関係なく、トランプ氏のインディアナでの勝利は共和党からの指名獲得の可能性を示唆している」と指摘。「これまで、ティーパーティーはクルーズ氏とトランプ氏に二分されていたが、トランプ氏が指名を獲得すれば、クルーズ氏の支持者の大部分はトランプ氏支持に回るだろう」と述べた。
一方、トランプ氏への批判を繰り返しているネブラスカ州のサス上院議員は、「記者団にインディアナ州での結果が何か影響を及ぼすかと聞かれる。答えは簡単。『ノー』だ」としている。共和党の重鎮ジョン・マケイン氏の長年の友人であるマーク・サルター氏は、11月の本選ではトランプ氏ではなくクリントン氏を支持するとしている。
クリントン氏はサンダース氏を突き放せず
もしサンダース議員の目標が民主党大会で最大限の影響力を発揮することであり、6月7日のカリフォルニア州での選挙戦まで戦い続ける理由を支持者に与えるということなら、インディアナでの勝利は助けになるだろう。
しかし、獲得した代議員数について言うと、ほとんど意味がない。
民主党の指名争いでは、代議員は得票率に応じて割り振られる。つまり、辛勝しても、すでに大差をつけられているクリントン氏を追う助けにはならないということだ。
しかし、東部での大敗を受け、士気を高めるには僅差での勝利こそ、サンダース氏が狙っていたことでもあった。
出口調査によれば、クリントン氏は白人層からの支持獲得に依然として苦労している。4月に入りサンダース陣営に対するオンラインや小口の寄付が減少したが、インディアナでの勝利で、再び資金集めに追い風が吹く可能性もある。
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