「グリーンゾーン」の議事堂に抗議集団乱入
- uhyoshi-yami
- 2016年5月6日
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(CNN) イラクの首都バグダッドで4月30日、政府機関や米大使館のある旧米軍管轄区域「グリーンゾーン」へ数百人のデモ隊が行進し、連邦議会議事堂に乱入した。
政府系テレビ、アルイラキーヤは、国旗を手にしたデモ隊がグリーンゾーンの中を自由に歩き回り、議事堂内のホールや会議室に集合する姿を伝えた。
デモのきっかけとなったのは、イスラム教シーア派の指導者サドル師が中部ナジャフで行った演説。サドル師は数カ月前から、政府は経済危機や汚職問題を放置していると批判し、政府側が対応しなければ自身の支持者らがグリーンゾーンへなだれ込むと警告していた。
同国のアバディ首相に対しては最近、サドル師やマリキ前首相らが批判を強めてきた。首相は宗派間対立の解決に努め、30日には内閣改造を発表する予定だったが、欠席が多く審議は成立しなかった。
グリーンゾーンで大規模な暴力は報告されていないが、クルド語放送局はクルド人議員らが議事堂内に閉じ込められ、デモ隊に車をつぶされたと伝えた。過去にサドル師を批判したイスラム教シーア派の議員が、デモ参加者に殴られたとの情報もある。バグダッドのシーア派聖地カドミヤでは2日から3日にかけて巡礼者が集まることが予想され、市内ではもともと警備が強化されていた。グリーンゾーンでは米軍管轄下に入った2003年以降、砲撃や自爆テロが何度か起きていたものの、大規模なデモ隊が進入したのは初めて。現在、地元の治安部隊やシーア派民兵組織からは多くの要員が過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」との戦闘に加わっている。その結果、バグダッド市内の治安態勢が以前と比べて手薄になっている可能性もある。マスーム大統領はデモ隊に平静を呼び掛ける声明を出した。オベイディ国防相は軍司令官らに対し、混乱に乗じようとするテロリストに警戒するよう指示を出した。国連イラク支援団(UNAMI)は声明でデモ隊の乱入に「重大な懸念」を表明。平静と自制、憲法体制の尊重を呼び掛けるとともに、政府側にも迅速な対応を求めた。バグダッド東郊のナフラワンでは30日、混雑した家畜市場で車に仕掛けた爆弾が爆発し、警察によると少なくとも24人が死亡、38人が負傷した。ISIS系のアマク通信は、ISISが「シーア派を狙った攻撃で約100人を死傷させた」との犯行声明を伝えている。
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