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イラン、サウジへの「大巡礼」を禁止-両国間の対立深まる

  • uhyoshi-yami
  • 2016年5月31日
  • 読了時間: 2分

イスラム教徒がサウジアラビアの聖地メッカを訪れる毎年恒例の「大巡礼(ハッジ)」をめぐり、イラン政府は今年、同国民の参加を禁止するとの方針を示した。

イラン外務省の報道官は国内テレビとのインタビューで、サウジ当局がイランからの巡礼者に支援を提供したり、巡礼の安全を保証したりすることを拒んでいると述べた。

イランのハッジ機関も声明を発表し、大巡礼の行事を守るため国とともにあらゆる手を尽くしたが、サウジ側が耳を傾けようとせず、査証(ビザ)発給などをめぐる交渉は成立しなかったと説明した。

これに対してサウジ側では、メッカと並ぶ聖地メディナの裁判所長が、大巡礼に関する取り決めへの署名を拒否しているのはイランだと主張。イラン側は大巡礼を意図的に政治化しようとしていると非難した。

2000万人以上のイスラム教徒が訪れた昨年9月の大巡礼では、多数の巡礼者が折り重なって倒れる事故が起き、少なくとも769人が死亡。国営メディアは、死者のうち464人がイラン人だったと伝えた。一方でイラン当局は全体の死者数がさらに多かったと主張するなど、サウジとの間で非難の応酬が続いた。

サウジが今年初め、イスラム教シーア派指導者の死刑執行を発表すると、シーア派大国のイランでは死刑に抗議する群衆がサウジ大使館を襲撃。これを受けてサウジはイランとの断交を発表した。イランは対抗措置としてサウジからの輸入を全面的に中止し、国民がメッカとメディナへ巡礼に行くことを禁止すると表明していた。

サウジは宗教目的の旅行に関連して年間180億ドル(約1兆9800億円)の収入を得ている。中でもイランからの巡礼者の割合は大きく、毎年約60万人が訪れると推定される。参加禁止はサウジにとっても大きな痛手となりそうだ。

メッカでは1987年、イランなどからの巡礼者が反欧米デモを起こしてサウジ治安部隊と衝突し、400人以上の死者が出た。

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