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国営資源企業の株式を一部売却へ

  • uhyoshi-yami
  • 2016年5月24日
  • 読了時間: 3分

 ロシア政府は2016年、保有している大手企業の株式の一部を売却する。外国人投資家も株式を購入できるが、特別な条件のもとでのみ可能になる。すでに、ロシアのダイヤモンド採掘・生産独占最大手「アルロサ」の株式が、「モスクワ証券取引所」で取り引きされることが明らかになっている。

 ロシア政府は今年初め、大規模な民営化を実施すると発表した。この枠組みの中で、2年で1兆ルーブル(約1兆7000億円)を受け取ることを見込んでいるという。2016年の計画には、保有している、石油企業「ロスネフチ」および「バシネフチ」、大手銀行「BTV」およびアルロサの株式の売却がある。

 先月末には、最初の企業の民営化形式が定められた。アルロサの株式10.9%をモスクワ証券取引所で売り出す。経済紙「ヴェドモスチ」がこれを伝えている。

 売り出しの時期は今のところ不明。先に、戦略的投資家への売却案が検討されていたが、アルロサが公の民営化を希望した。「証券取引所を通じて株式を売却した方が高い評価を得られるし、関心を持つ投資家の幅も広がる」と、石油サービス会社「ノヴァス・エネルギー・サービス」のチーフ・エコノミスト、マクシム・チェルニャエフ氏が、ロシアNOWに話した。ヴェドモスチ紙の取材に応じた関係筋によると、国はこの売却で500億ルーブル(約840億円)を受け取ることを見込んでいる。

 近い将来、ロスネフチとバシネフチについても決まる予定。アレクセイ・ウリュカエフ連邦経済発展相の先の発表によれば、ロスネフチの株式19.5%が個別に売却される可能性がある。国はこれで6500億ルーブル(約1兆900億円)ほどの売却益を見込んでいる。

株式の取得希望者

 石油企業の株式の取得を希望する人は、すでに動いている。ロスネフチとバシネフチの潜在的な買い手は、すでにロシア政府と協議を始めていると、イーゴリ・シュワロフ第1副首相は4月25日に記者会見で話していた。その4日前、「中国石油天然气集団公司(CNPC)」がロスネフチの民営化に参加する可能性があることが、明らかになっていた。CNPCの取得比率については、両国の首脳レベルで協議される。バシネフチの株式取得への関心を表明しているのは、今のところ、ロシアの投資家のみ。この中には石油生産量でロシア第2位の企業「ルクオイル」も含まれる。

 バシネフチは2014年に国営企業になったばかり。それまで、複合企業大手「システマ」とその子会社が、71.6%の株式を保有していた。「バシネフチの株式は過小評価されている。ここ3年のバシネフチの主要な財務指標を見ると、投資には魅力的だと結論付けることができる」とチェルニャエフ氏。アメリカ系金融情報通信社「ブルームバーグ」によると、バシネフチの時価総額は64億7000万ドル(約7050億円)。チェルニャエフ氏の考えでは、ロシアの資源企業の民営化に関心を持っているのは中国だけではない。「ヨーロッパおよびアメリカの投資家も、アルロサ、ロスネフチ、バシネフチの株式の取得案を検討していると思う」民営化の過程では、提携会社が参加する可能性が高いという。つまり、ヨーロッパの投資家が仲介者を通じて株式を取得するのだ。

外国人の条件

 ロシアの金融グループ「ブローカークレジットサービス」投資部のマクシム・シェイン部長によると、外国企業の場合、ロシアに子会社を登録していることが、オープンな参加の条件になる可能性がある。このような要件が、2016年2月1日にウラジーミル・プーチン大統領によって承認された民営化規定にある。これによると、株式の買い手は、ロシアの法域にいなければならず、自社資金によって、または国営銀行以外の金融機関から融資を受けて、取得しなければならない。最も重要な条件は、戦略的企業が国の管理下に残るということである。

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