象牙8千頭分を焼却処分、違法取引への抗議で
- uhyoshi-yami
- 2016年5月6日
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ケニア・ナイロビ国立公園(CNN) ケニアのナイロビ国立公園で4月30日、大量の象牙やサイの角などが焼却処分された。象牙などの密猟、密輸に抗議するのが目的だ。
焼却されたのは、違法に取引されていた象牙やサイの角、珍しい動物の皮、ビャクダンや薬効のある樹皮など計1億7200万ドル(約183億円)相当。このうち象牙は8000頭分の105トンに上り、闇取引での価格は1億500万ドル余りに相当する。サイの角は343頭分の1.35トンで、670万ドル相当。これらはケニア環境資源当局の年間予算の1.5倍を超える規模だ。
野生生物保護当局が10日間かけて高さ3メートル、幅6メートルほどの12の山に積み上げ、近隣諸国の首脳や数百人の見物人が集まる式典で火をつけた。同当局の責任者によると、燃料は自動的に補給され、完全に燃え尽きるまでには1週間ほどかかるという。
ケニアでは1989年に密猟の横行を受けて初の焼却処分が行われ、今回は4度目だが、これほどの量が焼却されたのは史上初めて。ケニヤッタ大統領は「この10年間で、アフリカ中部のゾウの7割が失われた」と訴え、行動を呼び掛けた。焼却処分によって象牙の闇価格が上昇し、かえって密輸が増えると批判する声もある。しかし式典であいさつした専門家は「過去の焼却処分では3カ月以内に価格が300ドルから5ドルまで下がった」との例を示して反論した。ゾウは象牙を目的とした密猟により、15分間に1頭が殺されている。またアフリカで昨年密猟されたサイは1338頭と6年連続で増加し、過去最悪の数を記録した。ケニアでは豊富な野生動物を核とした観光収入が国内総生産(GDP)の約12%を占める。ゾウの保護に取り組む専門家によると、生きたゾウ1頭が観光収入に貢献する額は、象牙取引による収益の76倍にも上るという。
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